嵯峨野のあぜ道
快い秋の朝、嵯峨 広沢池西側の田園あたりを散策。
まずは、「兒 (ちご) 神社」に参拝。ここには、御本殿で一心に祈願してから傍の「兒石」に座れば、必ず願いが叶うという言い伝えがある。覆屋の中に納められた御本殿をじっくり拝見するのは初めてだったが、小さいながらも立派な造作で少々驚いた。地元の人達によって手厚くお世話されていることが伝わってくる。しっかり祈願をして、石の椅子に腰をおろしてみると… なかなかの座り心地。
兒神社北側には、今年もコスモスが色とりどりにきれいに咲き、目を楽しませてくれ
る。広沢池の観音島付近では、野鳥観察 (写真撮影?) をしている人達の姿もあり、穏やかな時間が流れている。
続いては一条通沿いの「案山子」見物!夏の終わり頃から一条通を車で走る度に気になっていた案山子。田の稲は刈り取られた後だったので、少し畦道に入らせてもらうと、案山子の横に黄色ののぼり旗。「酒造好適米「祝」」の文字が見える。意匠を凝らした面白い案山子が通りに向かって立ち並ぶ様子は、秋らしくて楽しい。『嵯峨酒づくりの会』の活動の一環のようだ。
そして田畑広がる山裾へ歩を進める。人影もまばらで、畑で農作業に精を出す人の姿や田の水路で餌を探すサギを眺めながらのんびり歩く。柿の木には取り残された朱い実が艶やかに光り、こちらでも案山子が勢揃い。畑の脇でコスモスや青いセージ(?) が風に揺れている … 秋だなあ〜。
直指庵まで足を伸ばした後は、『岡幸 名古曽町直売所』さんに向かう。大覚寺北側にある農産物の直売所で、テレビでも何度か紹介されたことのあるお店。地域循環型の農法で、自家製堆肥を使用した京野菜が直販されている。
初めて訪ねたが、気さくなご主人が野菜について丁寧に教えてくださった。今回は万願寺とうがらしと茄子を購入。大きな万願寺だったが、みずみずしくて柔らかくおいしかった。茄子も獲れたてなので、外側はシャキッとしてアクもない。 また是非行ってみよう!!
天高く 稲田の案山子 笑いおり (畦の花)
《嵯峨酒づくりの会》
広沢池や大覚寺のある愛宕山麓嵯峨地区は、『歴史的風土保存特別地区』つまり「稲穂たなびく田園景観を維持する地域」として市に指定されているため、農家の人々は多くの課題を抱えているという。そうした中で、国の減反対象になる京都府特産の酒米「祝 (いわい)」の栽培を始め、さらに独自に清酒製造に着手しようと発足したのが『嵯峨酒づくりの会』とのこと。平成8 (1996) 年から始まったプロジェクトは、伏見の蔵元(英勲)斎藤酒造による純米大吟醸酒「月賞 (げっしょう)」として実を結んだ。
散歩の時に見た案山子は、どうやら8月の「かかし祭り」の時に製作されたものらしい。
『嵯峨地域農場づくり協議会』が環境に配慮した “サステナブル" なお米として生産を始めた「古今嵯峨米」など、嵯峨野の農家の人々が、制約の多い中で日々奮闘しているのを案山子は教えてくれた。いつも心が解放されるような懐かしさを感じさせてくれる嵯峨野の風景が、地元の人々の努力によって保たれていることに感謝!!
<参考資料> 『嵯峨酒づくりの会』ブログ