秋拾遺

京あれこれ

『熊蟄穴 (熊 穴にこもる)』頃となり、冷たい北風が名残の紅葉を次々と落として吹いていく。真冬になる前に大好きな秋の景色をもう少し眺めてみよう。

西寿寺の薬師如来石像西寿寺の冬桜福王子交差点近くの鳴滝泉谷にある「西寿寺」は、春の桜、新緑の初夏そして秋の紅葉と四季折々の自然が美しい。
高台の墓所に立つ薬師如来の石仏は、京都市街を眼下に見晴らして佇み、「鳴釜神事」で知られる「三光石神社」が紅葉に隠れるようにしてそれを見守る。

駐車場近くの桜苑で思いがけず「冬桜」に出会う。すっかり葉を落とした木に咲く可憐な花が、春とはまた異なる趣。

今年復興なった観音堂「福寿堂」を見学しながらの帰り路、とある民家のお庭にとてつもなく大きな橙色の果実を発見!よく見ればザボン(文旦, ボンタンとも)!「ボンタン飴」は食べたことがあるが、果実を見るのは初めて。

 

広隆寺落柿舎果樹と言えば、小倉山麓の「落柿舎」。その名の通り、秋には庭の柿の木にたわわに実がなる。見上げると青い空に朱色の柿がそこかしこ。

「聖徳太子御火焚祭」に訪れた太秦「廣隆寺」の参道にも、たわわに実をつけた柿の木。柿の木も「重要文化財」?

      柿実り 太子を偲ぶ 廣隆寺  (畦の花)

「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」も終わった10月の終わり。「鳴滝駅」ホームで、藤袴に似た植物 (沢藤袴か?) の葉に…あれ? てんとう虫! 暖かな陽射しを浴びて静かに風に揺れている様子が、なんとも可愛らしい。

  小春日や 季節外れの てんと虫 緑葉の上 来たりて憩う  (畦の花)

 

妙円寺11月も終わろうとする頃に立ち寄った「松ケ崎の大黒さん」(妙円寺)。北山方面は、もう散り紅葉の時期だった。西奥にある客殿近くの門から下に続く石段を眺めると、参道は一面の散り紅葉で赤く染まっている。

絵馬堂前の庭は、銀杏の黄色と楓の赤が見事なハーモニーを見せ、比叡山が眺望できる墓所近くでは赤い山茶花が盛り。

 

近衞池の猫帰路、御苑を散策していると珍しい光景に遭遇。「近衞池」近くの樹上に、じっとうずくまるネコ発見!人馴れしているご近所の猫なのか、まるで秋の風情を楽しむかのように微動だにしない。

 悠然と 樹上の猫も 紅葉狩り  (畦の花)

 有名な観光地でなくとも、秋の美しさは日常のここ彼処で見つけられる。

 

宝筐院  禅寺の 軒端彩る 照葉かな 

護法堂弁財天にて秋の陽を 浴びて煌く 石清水  苔生す岩に 紅葉落つ  

                   (畦の花)