秋景色 (4) 京都御苑
もう12月というのに暖かい日が続く頃、京都御苑で「十月桜」が咲いていると知り出かけてみることに。
御苑の近くは時々通るが、ゆっくり御苑の中を散歩するのは初めて。
今回は 「下立売御門」 から入り、まずは 「宗像神社」 に参拝 …と思っていたが、出水の小川の東側に咲く「十月桜」を見つけて寄り道。松の緑と紅葉の赤の中、淡いピンクの花がたくさん咲いている。遠目からは雪のようにも見える。近くでよく見ると、八重咲で花びらの縁はキレイな淡紅色だが、白色に近い。でも蕾は鮮やかな桃色で愛らしい。秋から冬にかけて咲き、春には再び咲くという。冷たい風の中で花開く様子が儚げに見えるが、実はしっかり養分を蓄えて春に色濃く再び開花する逞しい桜。そんな桜が好き!
紅葉狩り 何とはなしに 来てみれば 秋風に咲く 十月桜 (畦の花)
「宗像神社」 は、藤原冬嗣が795年に福岡県の宗像神社を勧請したのが創祀とされる歴史ある神社。主祭神は宗像三女神 (多紀理比売命・多岐津比売命・市岐嶋比売命)。境内には御神木の大きな楠が生い茂り、西門近くのカリンの樹には、大きな黄色の実がたくさん生っている。境内南には、いかにも観光地「京都」らしい「京都観光神社」がある。社殿の前には白石が敷かれ、散り紅葉とのコントラストがなかなかオシャレ。南門の前でネコに出会う。たまたまベンチで歓談中のご婦人達とは顔見知りらしく、足元でおとなしくひなたぼっこ。


次は「宗像神社」から少し南にある 「厳島神社」 へ。


安芸守であった平清盛が、母祇園女御のために宮島の厳島神社の神を祀ったのが始まりといい、祇園女御も祀られている。社殿は広い池 (九条池) の北に建ち、池の南端には趣ある和風建築のお屋敷 (拾翠亭 しゅうすいてい) が見える。この地は明治維新前は藤原 ”五摂家” の一つ「九條家」のあった場所で、庭園も「拾翠亭」も元は九条家のもの。「厳島神社」も同家の鎮守社だった。
「厳島神社」前から眺める紅葉の池も風趣あるが、せっかくなので「拾翠亭」も近くで見てみたいと思い 「間之町口」 側まで散歩。残念ながら公開日ではなかったので内部を拝見はできなかったが、こちらも趣きある佇まいだ。「拾翠亭」南側の小径を少し東に行くと、「九条池」に架かる橋 「高倉橋」 が左手に見える。橋の上からは紅葉に包まれた池の全景を見晴らすことができ、鴨に混じって川鵜も長閑に水浴び中。




今日の散歩はこのあたりまでと 「仙洞御所」 方面に向かっていると、「鷹司邸跡」 に大きな黄色の実をつけた果樹があるのが目に止まった。あまりにもたわわに実っているので近づいてよく見れば、夏みかん!元は鷹司邸に植えら

れていたのだろうが、御苑で夏みかんを見るなんて、しかも紅葉盛んなこの時期に …。青い空に黄色がよく映える。
人知らず 錦織りなす 散りもみじ (畦の花)
仙洞御所の西側あたりには楓が多いようで、散り始めた紅葉が一面を覆いつくす様子に秋の終わりを感じる。赤松の多い京都御所の東側にも紅葉は目立ち、時折楽しそうな子ども達の声が聞こえてくる。そして見上げる空では、鳶が羽を広げて悠々と輪を描いている。
「乾御門」 から御苑を出て烏丸通り沿いに南に向かって歩いていたら、右手に 「菅原院天満宮神社」 の大イチョウが天までとどけとばかりに屹立している。隣の 「聖アグネス教会」 の塔にも負けじとばかりに黄葉するその姿はとても美しい。それにしても神社と教会が隣り合う京都いえ日本は平和。


<参考資料>
・ 「一般財団法人国民公園協会 京都御苑」 website
・ 京都観光オフィシャルサイト 「京都観光 Navi」