清凉寺の春に游ぶ

京都・寺社

清凉寺 仁王門

 昨年(2023年)よりも開花が遅かった京都のソメイヨシノも満開の頃を迎えた4月中旬のこと。久しぶりに嵯峨釈迦堂「清凉寺」のお釈迦さまに逢いに出かけた。NHK大河ドラマ「光る君へ」ゆかりの寺院のひとつとしてマスコミで取り上げられているせいか、平日にもかかわらず訪れる人が多いように感じた。

 

小倉山方面

 本堂のお釈迦さまに参拝してから、いつものように北側の渡り廊下に出て大方丈までゆっくりと庭園を拝見。ここかしこで桜が咲き、小倉山のある西方の緑なす山並みにも桜の薄桃色が混じり、春らしい風情を感じさせる。渡り廊下の東側にある桜が、モミジの若緑色や赤い椿によく映える。大方丈では人と会うことも少ないので、ついついのんびりしてしまう。

 

   風来たり 軒端の桜 光り散る  (畦の花)

 

本堂渡廊下の桜
源融公の墓所
植樹されたばかりの桜

 

 

 

 

 本堂退出後、光源氏のモデルの一人とされる「源融 (みなもとのとおる) 公」の墓所に参拝しようと多宝塔近くまで足を運ぶと、植樹されて間もない2本の桜の樹があった。寄進された樹のようで、幹にはまだ菰が巻かれているが、多くの蕾の中で八重の濃桃色の花がいくつか咲いている。「遅咲きの桜…関山かな?」などと思いながらお墓の奥をふと見ると、狂言堂の裏でも桜がひっそりと咲いている。何となく誘われているようで、ちょっと寄り道。

狂言堂裏付近から見た本堂

 

 

 

 

 境内南西の角地、「聖徳太子殿」の付近は滅多に立ち寄る人もいないので、嵯峨野の自然がそのまま残っているようでお気に入りの場所。鐘楼の近くや石塀沿いにある桜は、そろそろ散り始めていて、花びらの織りなす「桜の絨毯」の上に散り椿があるのも春ならでは。桜越しに見える本堂も趣がある。やわらかな翠色のモミジの下草に目を向けると、スミレ、タンポポ、カラスノエンドウなどの野草が光の中でいきいきと春を享受。蝶はかくれんぼをするかのように、あちらまたこちらと軽やかに舞っている。

 蝶を追いかけながらふと目に止まったのが、鮮やかなピンクの花。ツツジかな?その脇に「R.I.75周年記念植樹 京都西北ロータリークラブ 1980.2.23」と刻まれた石が置かれている。どうやら1905年にアメリカ イリノイ州で国際ロータリー (Rotary International=“RI”) が誕生し、75周年となるのを記念しての植樹のようだ。そしてそのすぐ南側の石塀にある門が、開いている。以前は「開かずの門」のようだったが、どうやら昨年7月にオープンした茶屋「Bhagavan (ヴァガバァーン)」への出入口になっているらしい。ツツジも見てくれる人が増えて、"咲きがい" がある!?

  若草も 桜に染まる 寺の庭 童に返り 草花あそび  (畦の花)