”大原野フジバカマ園” ありがとう!
昨年 (2023年)、御苑近くの革堂行願寺・下御霊神社を中心に開催された “藤袴祭" (源氏藤袴会主催) を訪れた際に、京都自生の藤袴が発見されたのが西京区大原野であることを知った。しかも西京区大原野南春日町の「大原野フジバカマ園」で、「大原野フジバカマ祭」が毎年開催されているという。今年は是非とも大原野でフジバカマと、できればアサギマダラも見てみたいと出かけてみることに。
9月30日。午前中は曇りがちだったが、秋はまだ先といった気候。
「南春日町」バス停から「フジバカマ園」までは、歩いて5分もかからない。周辺には畑地が広がり、小塩山を中心とする西山連峰の山並みに囲まれた長閑で静かな地域。
春先に訪れた時には青々とした葉が印象的だったフジバカマだが、今は満開に近い状態で、いろいろな虫達が次々とやって来ては蜜を求めて飛び交っている。フジバカマ園の周りには、地元の大原野小学校や竹の里小学校などの児童の手で作られた楽しい案山子がズラリと並び、一緒にフジバカマを見ているようで可愛い。
1000株以上はあるとされるフジバカマ園の中に入ると、微かだが仄かに甘く… そう、少しばかり桜餅を思い起こさせるような香りに包まれる。様々な蝶があちらこちらと舞い、なんとカマキリのカップルまで発見。フジバカマの誘引力はすごい!また、最初はフジバカマにばかり気を取られていたが、よく見ればあちらこちらに山野草が植えられている。「ワレモコウ」や「カワミドリ」等々、名札が付けられているのでとても興味深く拝見。
「大原野フジバカマ祭」は、大原野の農家の有志グループ 「なんやかんや大原野」 が主催されているが、小塩山のカタクリとギフチョウの保護活動を中心として西山の自然を守る活動をされている 「西山自然保護ネットワーク」 の皆さんもお手伝いされているようだ。
また、「フジバカマ園」に隣接する 「大原野スタジオギャラリー」 では、フジバカマが咲くこの時期にあわせて企画展『大原野花日和』が開催中 (9.21 [土] – 10.20 [日] 12:00 – 17:00 ※金・土・日のみ)。少しだけお庭を拝見させていただくと、こちらでは竹穂垣の前にフジバカマが植えられてきれいに咲いていた。
<最後に残念なお知らせ>
「なんやかんや大原野」 のwebsite でも告知がされているが、2013年から11年間続いた「大原野フジバカマ祭り」は、2024年で終了とのこと。「フジバカマ園」の日々の維持管理や水やりなど、ボランティアの方々の負担が大きいのが一番の理由のようで、当初の目的は十分に達成できたとしての決断だそうだ。来年も見られるかと楽しみにしていただけにとても残念だが、年々暑くなる夏のことなど考えると「長い間ご苦労様でした」の言葉しかない。偶然にも最後の年に心ゆくまでフジバカマを堪能させていただけたことに ”ありがとう!” のひとこと。(「フジバカマ園」は10月6日(日) まで入場可)
<参考資料> 「なんやかんや大原野」 website