轉法輪寺 (右京区龍安寺山田町)
御室仁和寺の東側の道を瓦塀沿いに北に少し歩いていくと、「御室大佛」という看板が目に入る。その奥にある駐車場の北側には、白い漆喰の袴を基盤とした大きな「鐘楼門」がどっしりと構えている。門に足を踏み入れて上方を仰ぎ見れば、頭上には大きな梵鐘。思わず立ち止まって眺めてしまう。
「鐘楼門」をくぐり抜けると、手入れの行き届いたきれいな庭が参拝者を迎えてくれる。耳を澄ますと、庭の一隅にある水琴窟の清らかな音色が響いている。観光客にあふれる寺社では味わえない贅沢。
浄土宗のこちらのお寺は、関通上人が、宝暦八年(1758)に北野下野森に念佛道場を開いたのが始まりとのこと。その後、昭和の初めに現在地に移転。二丈四尺(約7.5メートル)もある木像の本尊・阿弥陀如来坐像(1758年作)は、現在では「御室大佛」として親しまれている。その他の寺宝として、天智天皇生誕にまつわる縁起によって作られたという「裸形阿彌陀如來立像」や宝暦十四年(1764)作とされる「釈迦大涅槃図」などを所蔵。通常は非公開。