修二会(お水取り)
春の訪れを告げると言われる奈良・東大寺二月堂の修二会の模様が、NHKで生中継された。
修二会(正式には「十一面悔過(じゅういちめんけか)」)は、天平勝宝4年(752)に東大寺開山良弁僧正の高弟、実忠和尚(じっちゅうかしょう)によって創始され、今年で1270回目になるという。これまで一度も絶えることなく行われてきたことから「不退の行法」とも呼ばれている。
毎年テレビのニュースなどであの独特の伽藍を走り抜ける松明の炎を見る度に、一度は行ってみたいと思っていたが、思いがけず後夜咒師作法等の様子を知ることができた。また、松明が印象的なのになぜ「お水取り」と言うのかといった疑問も解けた。
修二会は「私達が日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の宝前で、懺悔(さんげ)する」ための法会であるらしいが、そこには仏教のみならず、極めて土俗的・呪術的な要素も含まれているようでとても興味深かった。
今年は、東寺の「後七日御修法」が初めてテレビ公開されるなど、例年では知ることのできない寺院の行事を家にいながら見ることができた。コロナ禍の中、宗教界も様々な努力をしているのか。