兒神社(右京区嵯峨釣殿町)

京都・寺社

兒神社広沢池の南西に小さな神社が建っている。「兒神社(ちごじんじゃ)」または「児社(ちごのやしろ)」とも言われ、旧池裏村一帯の産土神として崇敬されてきた。神社の駒札によれば、その由来は次のようだ。
平安時代中頃に広沢池を庭池とする大寺院遍照寺を創建した寛朝僧正には、彼を尊敬し仕える侍児がいた。長徳4年(998)に寛朝僧正が示寂すると、残された兒は悲嘆・悲泣して広沢池に身を沈めた。この兒を哀れと思った近在の人々が、その慰霊のために建てたのがこの神社。

境内には、区民誇りの木に指定されているツブラジイ(ぶな科)とクスノキが大きく茂り、お社を見守っている。その木の近くには、「兒の石椅子」という石がある。寛朝僧正が広沢池畔で座禅をしている時、傍らでいつも兒が腰掛けていた石とのこと。この石椅子に座ると、長命、安産、縁結びの願いが得られるそうだ。兒の石椅子

  またその側には最近になって置かれたと思しき「ハートストーン」なる石もある。ハートの形をした石で、神社の修復工事中に境内の土中から出てきたらしい。

新たな縁結びの石として人気が出るのかな? ハートストーン