蛇塚(へびづか)古墳 (右京区太秦面影町)
嵐電「帷子ノ辻」駅から南に歩くこと5,6分ほどの住宅街に「蛇塚古墳」はある。近くには松竹撮影所があり、塚を囲むように住宅が並んでいる。嵯峨野地域には6世紀以降の古墳が多くあるようで、その中でも「蛇塚古墳」は最大規模を持つ前方後円墳とのこと。
【蛇塚(へびづか)古墳概要】
・築造年代:7世紀頃(古墳時代後期)
・形 状:前方後円墳(横穴式石室)
・石室規模:石室全長 17.8m、玄室長 6.8m, 幅 3.9m、玄室床面積 25.8㎡、高さ5m以上
・側壁、奥壁とも2〜3段に巨石を用いており、天井石は一石を除いて失われている
・1977年5月4日 国史跡名勝に指定
玄室の幅は奈良県の石舞台古墳より大きく、床面積では全国4位の規模とされる立派なものらしい。
現在の塚は、墳丘の封土が失われて横穴式の石室が外側からもよく見える。南側の羨道部分は、巨石を支えるように鉄枠で補強されているのがわかる。それにしてもここに葬られている人は誰なんだろう?地名「太秦」が物語るように、嵯峨・嵐山付近には渡来系氏族である秦氏の足跡が散見することから、秦氏の長の墳墓なのかな?と思ったりもするが、特定に至る証拠は未だ見つかっていないそうだ。また「蛇塚」の名は、明治末頃まで付近は竹藪で、石室内に蛇が多く棲息していたことからそう呼ばれるようになったとのこと。