初秋の北嵯峨を歩く
やっと日中も少し涼しくなってきたので、久しぶりに広沢池辺りまで散歩。池の南側の桜の葉は、もう黄色く色づき秋支度。池の湖面は、初秋の風に吹かれて漣が立っている。
池の西側には、今が盛りとばかりにピンクや白のコスモスが咲き乱れ、秋の風にしなやかに揺れている。愛宕山や曼荼羅山を背景にしたその景色は、秋ならでは。コスモス目当てに訪れる人達も多い。
車を避けて田畑の中の道を、大覚寺方面に向かってぶらぶら歩く。曇り空もいつの間にか青空に変わり、まだまだ日差しは暑い。黄金色に実った稲穂の傍らでは、白銀色の立派なススキがすっきりと天に向かう。畑の小屋の横には柿の木。赤く色づいたその実は、いつか野鳥の餌になるのだろうか?
水を張った田では、サギが悠々と餌を啄ばんでいる。
清少納言は『枕草子』で「野は嵯峨野さらなり」と語る。
… 今の嵯峨野も趣深い。