太秦(うずまさ)散歩ー秋深まる亥の月

京あれこれ

 今年は霜月の声を聞いても日中はまだ暖かい。青い空に誘われて、ちょっと太秦界隈まで散歩。嵐電「撮影所前」駅から東映京都撮影所方面に歩いて行くと、「栗大福」ののぼりが目についた。以前から一度行ってみたいと思っていた和菓子の「うずまさふたば」。おやつに豆大福を求めようかなと寄ってみたが、残念ながら大福はすべて売り切れ!せっかくなので、季節を感じられる「亥の子餅」「栗むし羊羹」を購入。
東映京都撮影所

「うずまさふたば」を通り過ぎると、東映京都撮影所の入り口。映画・ドラマでよく見かける風景。そこから三条通りに出てさらに東に行けば、廣隆寺まではすぐ。折しも修学旅行シーズンで、廣隆寺にも制服姿の学生グループが訪れていた。境内の桜の葉が赤く色づき、イチョウの黄色とのコントラストが秋らしい。何気ない秋の景色が好きだ。

 

「亥の子(いのこ)」亥の子餅と栗蒸し羊羹
 「亥の子」は旧暦10月(亥の月)の最初の亥の日のこと、またはその日に行われるお祝いの行事。中国から伝来した行事で、亥の月の亥の日の亥の時に、大豆、小豆、ササゲ、胡麻、栗、柿、糖の7種を混ぜた餅を食べると無病息災になるという。平安時代には宮中で「御玄猪(おげんちょ)」の儀式として採り入れられ、やがて貴族そして庶民へと広がっていったとされる。京都御所西の護王神社では、毎年11月1日の夜に、古式豊かに亥子餅の儀式を再現する「亥子祭」が行われている。また、茶道ではこの日を炉開きの日として、「亥の子餅」を食べるとのこと。
 2021年の亥の子は、11月11日。ちょっと早いけど、初めて食べた「亥の子餅」。スッキリとした甘味のこしあんが、やわらかなお餅で包んであり、胡麻の香りも香ばしく美味しかった。…次はやっぱり豆大福かな…。