早春の広沢池

京あれこれ

立春が過ぎ、梅便りもちらほら耳にするようになった近頃。風もなく暖かい日和に誘われて、久しぶりに広沢池まで散歩。途中、「桜守」こと佐野藤右衛門さんの「植藤造園」の梅の木に、可愛らしい紅白の花が咲き始めているのが目に留まる。道路を隔てたお宅の庭では、黄色の蝋梅の花が盛り。「春はもうそこまで来てますよ!」と自然のささやきが聞こえてくるような…。

年末の風物詩「鯉揚げ」で水を抜かれた広沢池は、中央にわずかに水が残るだけで、まるで干潟のよう。水の無い今だけ、池に足を踏み入れることができる。早春の陽気に誘われて、子供連れの家族がピクニック気分の散歩に訪れたり、お昼寝中の人や尺八の練習に勤しむ人がいたりと、広沢池周辺の自然をそれぞれに楽しんでいる。
遍照寺山と広沢池 広沢池から愛宕山方面を望む

広沢池はもともと農業用ため池で、池底の泥を洗い流して干すことにより水質を保持するために、水抜きを毎年行っているらしい。そして春4月になると、再び池には水が張られて稚魚が放流されるとのこと。

 …そう、桜の頃か。

    水枯れて 池のひずみや 後の月  与謝蕪村