“さくら終い” は平野神社で

京あれこれ

平野神社参道2018(平成30) 年の台風21号で甚大な被害を受けた平野神社の拝殿の修復が、昨年秋にやっと完了したということなので、観桜期間が終わるのを待って今年の “さくら終い" に久しぶりに平野神社に参拝。
前回訪れたのは、台風被害から間もない頃だった。拝殿の周囲はシートで覆われていたが、6本の柱が折れて原型を止めぬほどに倒壊した拝殿の写真には驚かされた。


平野神社拝殿今回初めて見る拝殿は、檜皮葺屋根は葺き替えられ、餝金具も金色に輝いて新しくなっていた。よく見ると、以前の拝殿の一部を修復に再利用しているのも見てとれた。

一方本殿は、檜皮葺屋根葺き替えのために養生シートで覆われていた。工事期間中は、御神体は拝殿背後に設けられた仮殿に遷座されているとのこと。

シートで覆われた本殿と「右近の橘」まずは参拝を終えて、境内を散策。平安時代から桜の名所として愛されて来た平野神社には、約60種400本の桜が植えられているとのこと。そのため、参拝者は3月中旬から5月上旬頃までの長い期間にわたって様々な桜を愛でることができる。

夜間のライトアップ期間が終了し、樹木保護のために「桜苑」は立ち入りできなかったが、それでも境内では八重桜を中心にまだまだ遅咲きの桜を楽しむことができた。

 

平野妹背松月(しょうげつ)普賢象(ふげんぞう)、松月(しょうげつ)、おけさ、平野妹背、御衣黄(ぎょいこう)、鬱金(うこん) など珍しい桜もここではあちらこちらで観賞できる。それぞれの樹に名前の札が付けてあるのも、「桜初心者」にはうれしい。花見シーズンが過ぎて観光客も少なく、ゆったりと存分に遅ればせの花見気分を味わうことができた。

「櫻池」傍のお地蔵様と一初やジャーマンアイリスまた平野神社では、桜だけでなく四季それぞれの花々や植物を楽しむことができる。山吹と青もみじ

訪れた時には、本殿前の「右近の橘」がたわわに黄金色の実をつけ、「櫻池」付近では山吹の文字通りの鮮やかな「ヤマブキ色」と白いユキヤナギがコラボ。

著莪(しゃが) や 一初(いちはつ) ももう咲いている。

著莪(しゃが)

 

思いがけず美しい花達の「競演」に出会え、"さくら終い" ならぬ “花めぐり" の春の日だった。