「藤袴祭」とアサギマダラ
10月13日から16日にかけて革堂行願寺・下御霊神社を中心とした寺町通界隈で「藤袴祭」が開催された。主催は京都に自生する藤袴の保全・育成を行っている「源氏藤袴会」で、「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」もお世話になっている会。「旅する蝶 アサギマダラ」も飛来するらしいので、最終日に訪れてみた。
寺町通を二条あたりから北の革堂方面に向かって散策。歩道の所々にフジバカマの鉢が置かれていたが、その育ち具合は様々。
革堂の門前には「藤袴祭」の幟が立てられ、参道には赤い毛氈。その先、本堂前には一際大きなフジバカマの鉢が置かれている。
北側にある鎮宅霊符神堂に通じる参道付近はフジバカマで埋め尽くされ、写真を熱心に撮る人の姿も見られる。鐘楼付近では「藤袴コンテスト」に出展された鉢が並べられ、投票を待っている。花色の濃いものや、盆栽風にアレンジされたものなど、なかなか個性的。南側の宝物館の付近にも多くの鉢があり、こんなにたくさんのフジバカマを見るのは初めて。残念ながら「アサギマダラ」は見られなかったが、他の蝶がやって来ては蜜を吸っている。
この日は偶然にも御本尊が特別公開されていたので、有り難く拝観してから次の下御霊神社に向かう。
下御霊神社では拝殿周囲に多くのフジバカマの鉢が置かれていた。
目に付いたのが「御所南小学校」と書かれた立札。「青い鉢の藤袴は御所南小学校の3年生が育成した」と記されている。折しも先生に引率されて小学生の子供達がやって来て、フジバカマを見ている。その「御所南小学校」の生徒達かな?と思いつつフジバカマを眺めていると … なんとアサギマダラ!! たった1匹だが、初めて目にするアサギマダラは美しく、他の蝶より軽やかに舞っている。周りは突然の飛来に一様に驚き、その姿を追う。引率の先生もちょっぴり興奮? 子供達の願いが叶ったのかも。
初めての「アサギマダラとの遭遇」に満足し、下御霊神社の修繕が済んで白くきれいになった「神輿庫」も拝見し、最後は「萩の宮」として知られる梨木神社まで。
萩の盛りはもう過ぎていたが、それでも境内にはまだ「萩まつり」で飾られた和歌の短冊が残り、紅白の萩の花が咲いている。拝殿近くの萩と並んで置かれたフジバカマを眺め、秋の七草を楽しんだ古人に思いを馳るのも楽しい。花が少なくなった萩に代わるかのように赤く色づくミズヒキが秋らしい。
革堂で記念にと買い求めたフジバカマの匂い袋。ほのかな桜餅のような香りを楽しませてくれている。
フジバカマ 旅する蝶は 蜜求め その舞う姿 人惹きつける (畦の花)