嵯峨「鳥居形」の送り火 2024
<8月14日 (水)>
午前10時過ぎ、八体地蔵前にある「鳥居形」の護摩木の受付場所に到着。テントが張られ、長テーブルと椅子が用意されている。受付で必要な本数の護摩木をいただき、テーブルに置かれた「書き方例」を参考にサインペンで書き込む。護摩木の志納料は、町内の人は1本400円、それ以外は1本500円。(護摩木の受付:8月13日〜16日)
護摩木を奉納した後は、送り火当日のビューポイントを確認しながら少しばかり散策。嵯峨野は街中より幾分涼しいようで、つくつく法師がもう鳴いている。新しいよだれかけの「八体地蔵尊」に参拝し、瀬戸川に架かる「まんだら橋」に向かう。ここからは「鳥居形」の送り火が灯される「曼荼羅山」がとても近くに見える。川原の下草が刈られ、古い石仏も気持ちよさそう。
<8月16日 (金)>
「五山送り火」当日。午後8時過ぎ、嵯峨釈迦堂の交差点辺りまで来ると、地元の家族連れの人々が次々と北の方へ歩いていく。「曼荼羅山」には、すでに七つの火床の親火が灯されているのが見える。
午後8時20分、山の方から声が聞こえてくると同時に点火開始。百八つの火床全てに火を灯して鳥居の形を描くため、紅い火が次々と山を走る。8時30分頃、「鳥居形」の炎が山を赤々と照らし出し、見ている人達から歓声やため息が聞こえてくる。大覚寺道を「まんだら橋」へと辿ると、紅い鳥居はどんどん大きくなっていく。「まんだら橋」の袂で、帰っていく「おしょらいさん」を偲びながら合掌。
午後8時45分頃、少しずつ炎が小さくなり出した「鳥居形」を後にして広沢池まで歩いてみる。途中、広沢池で灯籠流しを見ていたと思われるインバウンドのグループと次々にすれ違う。昨年も広沢池ではインバウンドのツアー客を見かけたが、恐らく今年はそれ以上に増えているのではないだろうか。
すっかり人影も無くなった広沢池には、流された灯籠の一部が残されており、静かに池の水面に揺れている。西に見える「曼荼羅山」も、今は静かな夜の帳に隠れつつある。空を見上げると、雲間より月がときおり顔を覗かせて…暑い夏もあと一息かな…?
法師蝉 法師に代わり 経読むか 亡き人偲び 送り火を待つ (畦の花)