石峰寺 (伏見区深草石峰寺山町)

京都・寺社

伏見稲荷にほど近い黄檗宗のお寺。江戸時代中期の画家、伊藤若冲が天明の大火で家を焼失して後、この寺院の古い庵を終の住処としたという。若冲お墓境内には若冲のお墓もある。

観光客でごった返す伏見稲荷の喧騒を離れて急な坂道を登って行くと、黄檗宗独特の唐門が見えてくる。若冲が十余年をかけて制作したという「五百羅漢」に会いに、さらに裏山に登る。鬱蒼とした竹林の中に、釈迦の誕生から涅槃までの生涯を中心に、菩薩や羅漢の石像が配置されている。ひとつひとつが個性的な表情を持ち、長年の年月を経て苔むした姿がなんとも味わい深い。

この地での若冲は、自身を「斗米翁」と称し、米一斗と画一枚を交換して暮らすような貧しさだったという。精密な筆致で描かれた若冲の代表作より、私はむしろ石峰寺の五百羅漢の穏やかで安らかな表情が好きだ。(羅漢の撮影禁止は残念!)